お仕事日記2

体調のせいか、ただ無愛想なだけなのか、睨むような目つきは相変わらず、彼女は無言のままスポーツドリンクを受け取ると、のろのろとした動作で飲み始めた。
やっぱり関わり合いにならなきゃ良かった。
ただ買い物をしに来ただけにしては大きな荷物を抱えている。
中高生あたりの年齢に見えるし、ありがちな「プチ家出」でもしているのかもしれない。
うんざりした私は、橋場屋にその場を離れることにした。

ウインドウショッピングをするのは、私にとっては良いストレスの発散方法だ。
バリエーション豊富な服のデザインに目移りしている間は、余計なことを考え込まずに済むのがいい。

「おねーちゃん!」

帰りの電車に乗るつもりで駅前までくると、何者かが私の所まで突進してきた。
「ほらぁ、アタシおねーちゃんと一緒だから!」
飛びついてきたのは、さっき遭遇した不機嫌な階段少女。
きっと家出だろうと見当を付けた警察官に職質されかかっていたのだろう。
しかも今度は別人のような顔で私のことを「お姉ちゃん」呼ばわりしている。
「そういうことなら」とかなんとかつぶやきながら、若い警察官は去っていった。
今日は運が悪いんだと半分諦めモードだ。
振り返ったついでに彼女の口から出た言葉は
「ねぇねぇ、ついでだからご飯にでも連れて行ってくれない」
だった。

直球の図太さに根負けしてしまった私は、最寄りのファーストフード店に立ち寄ることにした。
もう体調の方はすっかり回復したらしい。